Godotでゲーム開発を始めると、多くの初心者が直面する問題の一つがプロジェクトのフォルダ構成です。整理されたフォルダ構造は開発効率を高め、プロジェクトの成長に伴う複雑さを管理するのに役立ちます。この記事では、Godotプロジェクトのための汎用的なフォルダ構成と、その設計における考慮事項を解説します。
Godotはファイルシステムに関して特に制限を設けていないため、プロジェクトの構造は完全に開発者の裁量に任されています。しかし、整理されていないプロジェクトは以下の問題を引き起こす可能性があります:
効率的なフォルダ構成を事前に計画することで、これらの問題を回避し、開発プロセスをスムーズに進めることができます。
Godotプロジェクトの汎用的なフォルダ構成は以下のようになります:
/プロジェクト
├── addons/
├── assets/
├── scenes/
├── src/
└── _debug/
各フォルダの役割は次の通りです:
アセットフォルダは以下のように細分化できます:
/assets
├── sprites/ # 2Dゲームの場合
├── models/ # 3Dゲームの場合
├── textures/
├── materials/ # 3Dゲームの場合
├── audio/
├── fonts/
├── data/ # JSONやその他のゲームデータ
└── custom_types/ # カスタムリソーススクリプト
シーンフォルダは以下のように整理できます:
/scenes
├── levels/ # ゲームレベル
├── ui/ # ユーザーインターフェース要素
├── characters/ # プレイヤーとNPCキャラクター
├── objects/ # インタラクティブなオブジェクトや小道具
├── components/ # 再利用可能なシーンコンポーネント
└── _debug/ # デバッグシーン
アセットはそれを使用するシーンにできるだけ近く配置すると、関連性が明確になり管理しやすくなります。例えば、特定のキャラクターに関連するすべてのアセットは、そのキャラクターのフォルダ内にまとめておくと良いでしょう。
ファイル名には一貫した命名規則を使用しましょう。Godotの仮想ファイルシステムは大文字小文字を区別するため、snake_case(小文字のみ)の使用が推奨されています。
例:
# 良い例
player_character.tscn
enemy_goblin.tscn
# 避けるべき例
PlayerCharacter.tscn
Enemy-Goblin.tscn
特定のフォルダをGodotのインポートプロセスから除外したい場合は、そのフォルダに空の .gdignore
ファイルを作成します。これにより、大規模なプロジェクトの初期インポート時間を短縮できます。
scenes
フォルダ内に main.tscn
を作成し、ゲームの初期化とシーン切り替えを処理するエントリーポイントとして使用すると良いでしょう。このシーンをプロジェクト設定でメインシーンとして設定します。
問題: ファイルを移動すると、それを参照しているシーンやスクリプトが壊れることがあります。
解決策:
# Godot内でのみファイル移動を行う
# エディタ外でファイルを移動しないこと
Godotエディタ内のFileSystemドックからファイルを移動すると、Godotは自動的に参照を更新します。
問題: ハードコードされたパスを使用すると、ファイル構造の変更時に問題が発生します。
解決策:
# 悪い例
var texture = load("res://assets/sprites/player.png")
# 良い例(エクスポート変数を使用)
@export var player_texture: Texture
効率的なフォルダ構成はGodotプロジェクトの成功に不可欠です。ここで紹介した汎用的な構造は、あなたのプロジェクトのニーズに合わせて調整できます。重要なのは、開発の早い段階で一貫した組織を確立し、それを維持することです。
良いフォルダ構成は目に見えないメリットをもたらします。開発中に悩む時間が減り、コードやアセットに集中できるようになるでしょう。
Godot 4.x を基準としています。コミュニティによって推奨される構造は変わる可能性があるため、公式ドキュメントも参照してください。